売買仲介の流れ(元付編その1)

未経験で開業しようという人は、当然いろんな本を読んだりして学んでいると思うので必要ない気もしますが、ひょっとしたら早見表みたいな感じで仲介の流れが掲載されてるサイトとか需要があったりするかなと思ったので、書いてみます。

まずは自分が元付になった場合です。

1.売却の依頼があった場合は、当該物件の権利証書又は登記識別情報、登記事項証明書(謄本)と運転免許証などで本人確認をし、売却の理由を必ず聞く。

親名義の不動産を勝手に売却しようとする人とかいますし、相続絡みの案件など兄弟間で揉めている最中なのに依頼してくる人なんかもいますので、ここは要確認です。私はまだ会ったことはありませんが、詐欺師などもいるので特に注意が必要です。

2.簡易的な現地調査を行い、法務局で謄本を取得し査定額を算出する。

媒介契約をもらうためには査定額を提示する必要があり、査定額を算出するためには調査が必要になるのですが、売主は査定額を早く知りたがりますし、時間と労力をかけて調査して査定を出しても、媒介契約がもらえないというケースもよくあることなので、私はとりあえずの簡易的な調査をして査定額を出すようにしています。

簡易現調は土地及び建物内外、前面道路、周辺環境のチェックに留め、あとは法務局またはネットで登記事項証明書(謄本)をとり、周辺の成約事例をチェックして、それらを基に査定額を算出し、売主に伝えて媒介契約をもらいます。

その際に必ず「このあと役所にて物件に関する調査を行います。まずないとは思いますが、もし万が一物件についてなんらかの問題が発見された場合、査定額が変わってしまうことがありますので、その点はご承知おきください」と伝えます。これ大事です。

3.現地調査にて物件や境界、前面道路の状況等を確認する。

現地調査のキモは「問題点や違和感をどれだけ見つけるか」です。現地でそれを探し出すのが現地調査になります。自分が買主になったつもりで疑問を感じることが大切です。

建物等の保守状況、周辺の景観調査、道路の舗装状況や幅員、道路境界と敷地の距離、境界標、排水溝、前面道路や宅地内にあるマンホール、個別浄化槽、水道メーター、敷地が道路に接している部分、敷地周りの寸法、敷地越境の有無、電波障害チェックなど。

4.法務局に行って追加資料として公図、建物図面、地積測量図を取得する。

公図と住宅地図との照合、敷地前面の道路から公道までの道路所有者の調査、建物図面の調査、地積測量図の調査、地目が田や畑の場合は農業委員会へ行く、区画整理事業中のため公図の申請ができなかった場合は区画整理事業の担当課へ行くなど。

5.役所調査(都市計画課→上水道課→下水道課→宅地課→環境課→文化課→道路管理課→建築指導課)

役所の調査は順番を考えないで回ると面倒なことになります。例えば初っ端に建築指導課に行って日影規制について質問をすれば「用途地域はなんですか?」と聞かれて答えられなくなり「都市計画課へ行ってきてください」と言われて、行ったり来たりすることに・・・。

役所での調査目的は「現地調査で感じた問題点や違和感を役所で解消する」ことです。それに合わせて「建物が無事に建て替えられる(or 建てることができる)かどうか」がポイントになります。役所は質問したことは教えてくれますが、どんなに関連性があることでも、質問してないことまで教えてくれる親切な方は少ないです。役所は別名喋る図書館・・・活用するためには何をどのように質問すればいいかをマスターすることが重要です。

都市計画課・・・用途地域、建ぺい率、容積率、地区街区、防火・準防火地域の有無、計画道路、都市施設など。重要なのは物件にとってマイナスになることや規制等についてなので聞き漏らしに気を付ける。

上水道課・・・住宅地図を持っていき、前面道路の水道配管の有無、管径の長さ、敷地内への引き込みの有無、給水装置の名義人を確認し、給水台帳図面と宅地内配管図をもらう。引き込みがされてなければ引込管設置にかかる費用を聞いておく。水道メーターがなければそちらも。

下水道課・・・住宅地図を持っていき、下水道の埋設状況を尋ねる。汚水管の口径や深さ、位置を確認し、敷地に引き込まれていない場合は本管から一般家庭用に接続することに問題がないか、費用等を確認する。下水道管網図(埋設図面)をもらう。課の印鑑を必ず押してもらうことを忘れずに。下水道がない場合は浄化槽水洗が可能かどうか調べる。

宅地課・・・住宅地図を持っていき、宅造規制区域か聞く。区域内であれば建築規制があるので資料をもらい、宅地造成許可や開発許可の有無を尋ね、許可があるなら許可番号、許可の日付、完了検査の日付、完了公告の日付を聞いておく。

環境課・・・土壌汚染の有無を確認する。なければそれで終わり。

文化課・・・文化財埋蔵包蔵地に該当するか確認をする。この課の名称は市区町村によって違うことが多い。生涯学習課だの文化財保護課だのと・・・。

道路管理課・・・公道か私道かを確認する。公道の場合は道路査定済みかを確認する。査定済みなら道路境界画定図をもらう。道路の名称と幅員も忘れずに。道路台帳をもらう。

建築指導課・・・ここが役所調査におけるメインです。私道について、建築確認と検査済証の確認、擁壁や工作物の取扱、再建築や建築の制限に関する情報の確認などなど。前面道路が位置指定道路だった場合は位置指定道路図をもらう。敷地が傾斜地にあったり、隣接している土地が斜面になっているときは、がけ条例に該当しないかも確認する。売主が建築確認通知書を紛失していた場合は台帳記載事項証明書をもらう。

ネット上で情報を公開している市区町村もあるので、有ればそれを活用し、不足している情報があれば役所で調べる。課の名称は市区町村によって異なっていることも多いので、分からなければ案内係に尋ねる。上下水道に関しては役所と別棟になっていることもあります。

6.ガスや電気などのライフラインを調べる

ガスは都市ガスかプロパンガスかを調査します。都市ガスであればガス管の埋設状況をガス会社に問い合わせて調べます。プロパンガスなら供給設備の所有権は誰にあるのかを確認し、プロパンガス会社にある場合は使用条件や発生する費用等の確認をします。電気については現地調査の際に分電盤を見てアンペア数を確認しておきます。高圧線が敷地内に架設されている場合は、電力会社に電話で建築の制限、補償について確認します。敷地内に電柱がある場合も補償されるため、電力会社に確認しましょう。また、移設は可能か、その際の費用について、手続きの流れと期間についても聞いておきましょう。

 

 

長くなってきたので、本日はとりあずここまで。

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コメント

  1. かなみ より:

    はじめまして。
    不動産業の事を色々検索してて、こちらのブログにたどり着きました。
    去年から全くの未経験で主人の父親の不動産会社で働いており、去年宅建の試験に合格しました。
    お父さんひとりでやってる会社で、お店や学校など業者相手の仲介業とコンサルタントを主にやってます。
    私は事務所の雑用などで、ほぼ宅建の資格を生かした仕事はしてません。
    お父さんからは、宅建に合格したのだから分かるだろうと、唐突に重説や契約書を作っておいてと言われるのですが、教えてもらったわけでもなく、どうやって作るのかも全く分からない状況で、なんとか調べながらやってます。

    私自信、せっかく宅建の資格をとったのだから、ひとりでも稼げるようになりたいと思ってますが、なにせ何も教えてくれないお父さんなので、何をしたらいいのか分かりません。
    まずは、どうやって営業をしたらいいのか、どうやってお客様を探すのか、ほんとに素人質問で申し訳ないのですが、教えて頂けたら嬉しいです。
    お父さんのように、業者相手ではなく、一般の方たちの住宅販売ができたらいいなと思ってます。
    無理を承知で、よろしくお願い致します。
    秋月様のように成功できればと思ってます。

  2. 秋月 より:

    コメントありがとうございます。

    不動産屋の集客というと、基本は不動産ポータルサイトと契約し、物件を掲載(広告)するのがセオリーです。あとはチラシを作成してポスティングしたりとかですね。ここら辺はどこの会社でもやってることだと思います。物件の写真の撮り方や記載するコメントで反応率が変わってきますので、そこは書籍や売れてる他社さんを見て学んでください。

    路面店であれば看板が営業ツールとなるように考えて作ったり、名刺もマーケティングツールとなるように考えて作るのは基本のキですね。社名と電話番号と抽象的な言い回しのみの看板とか、社名と名前と住所連絡先のみの名刺とかは論外です。

    あとは自分の交友関係の幅を広げるのも大事です。すぐに仕事に結びつかなくても、時間をかけて人間関係を構築していくと仕事を頼まれたりしますので。お住まいの地域の自治会の活動や法人会員組織に参加したりなど、人付き合いや異業種交流は長い目で見るとプラスになるはずです。

    何もやらなければ前に進みません。とりあえず何かやってみて、ダメならすぐに止めて違う方法や違う事をやってみる・・・トライ&エラーですね。停滞してるのが一番ダメだと思いますので。

    営業方法は千差万別ですから、何が良くて何が悪いかは自身で模索していくしかありません。集客はどこの会社でも一番悩ましいところですから・・・。

    あと、私はまったく成功してません(苦笑)